TITLE : TERM of CURLING

2011/04/11

  • ハウス
  • プレイの中心であるリング(円)。
  • ドロー
  • ハウスの中にストーンを止めること。
  • ガード
  • 方の他のストーンを守るために置くストーン。状況によっては相手のストーンもガードに利用される。
  • テイクアウト
  • ハウスの外に相手のストーンをはじき出すこと。
  • スウィーピング
  • べっているストーンの前をブラシで掃くこと。ブラシがストーンにあたってしまうと、多くの場合は反則を取られる。
  • カム・アラウンド
  • ドローショットの一つ。手前にあるストーン(ガードストーン)の後側に回り込んで止めること。
  • フリーズ
  • ドローショットの一つ。既にあるストーンの前側にくっつくように止めること。成功するとテイクアウトされにくくなる。
  • レイズ
  • 相手や味方のストーンにあてて動かすこと。
  • ロール
  • 既にあるストーンに当てて、投げたストーンを目的の場所に持っていくこと。
  • ピール
  • 既にあるストーンに当てて、投げたストーンもアウトにしプレイエリアから出してしまうショット。
  • ウィック
  • ガードストーンをアウトにしないようにずらすショット。
  • ヒット・アンド・ステイ
  • 既にあるストーンに当てて、投げたストーンはその場にとどめること。
  • ヒット・アンド・ロール
  • 既にあるストーンに当てて、投げたストーンを他の場所へ動かして止めること。
  • ダブル・テイクアウト
  • 相手のストーンを2つ同時にはじき出すこと。
  • トリプル・テイクアウト
  • 相手のストーンを3つ同時にはじき出すこと。
  • レイズ・テイクアウト
  • 手前にあるストーンに当てて、動いたストーンで他のストーンをはじき出すこと。
  • ウエイト
  • 投球の力。ストーンのスピード(秒数)で表される。投球時、選手には戦略に応じてウエイトを微調節することが要求され、 その精度が試合における重要な要素にもなりうる。スウィーパーは判断したウエイトをスキップに伝達し、 スキップはそのウエイトに基づきスウィーパーに指示を出す。
  • エキストラ・エンド
  • 第11エンド(8エンドゲームでは第9エンド)以降の延長戦。
  • ブランク・エンド
  • 両チーム無得点のエンド。次のエンドで再び後攻権を得るために、後攻のチームが意図して無得点にすることがある。
  • ビッグエンド
  • 1エンドに3点以上得点すること。
  • エイト・エンダー
  • 1エンドに8点得点すること。自チームの手持ちのストーンの8個全てが得点の対象となること。
  • スチール
  • 複数のエンドを連続して得点すること。先攻で得点すること。
  • リンク
  • カーリング場のこと。
  • シート
  • カーリングのゲーム用に整備された氷。アイスとも呼ばれる。
  • アイス・メーカー
  • 製氷技術者。シート表面の補修なども行なう。アイス・メーカーによってシートの特性(後述)が左右されることも多い。
  • ペブル
  • シートの最終仕上げ作業として表面に霧状の蒸留水を散布することにより生成される氷の微細な粒。 厳密には、この微細なペブルによる点の上をストーンが滑る。アイス・メーカーによる手作業のため、 個性が生じ、リンクや気候によっても違いが出る。
  • キーン・アイス
  • ストーンが滑りやすい氷。
  • スロー・アイス
  • ストーンが滑りにくい氷。
  • スウィンギー・アイス
  • ストーンのカール幅が大きい(カールしやすい)氷。
  • バイス・スキップ
  • スキップが投球するときに、スキップに代わってハウスに立って指示をする選手。サードが務める事が多い。
  • コンシード
  • 相手のチームの技術、戦略を認めて降参すること。終盤、大差がついて残りのストーンを投げても逆転が困難な場合、 負けているチームが勝っているチームへ握手を求める。これを表明した時点で最終エンドまで達していなくても試合終了となる。

TITLE : PHYSICS of CURLING

2011/04/09

カーリングは、運動量保存など力学の基礎を説明するための題材としてもしばしば取り上げられ、この場合、 多くは回転によって曲がる性質や、さらに摩擦も無視した理想化されたモデルで表されるものとして扱われます。 一方、より詳しくストーンの動きを考察することは、氷上の摩擦に関する研究途上の科学でもある。摩擦は一般的な理論化が できない複雑な現象であるため、ストーンのカールやスウィーピングの効果など、実際のストーンの動きは実験と理論の両面から 分析されなければ理解できません。特にストーンのカールはそれ自体が物理に対して興味深い問いを投げかけてもいます。 カーラーとともにカーリングの物理の実践的な分析も行われており、日本カーリング協会でも「研究を通じて選手の独創性や先見性を 育て、新たな戦略に結びつけたい」として、2008年より氷やストーンの特性とストーンの動きとの研究を行っています。 カナダでは2010年のバンクーバーオリンピックに向けてデリバリーのフォームやスウィーピングの科学的研究を極秘裏に行っています。

ストーンの軌道が大きく曲がるという性質は、カーリングのゲームを面白くさせている大きな要素である一方で、 物理的にも興味深い問題です。角速度の大き過ぎるストーンはあまりカールせず、ストーンの角速度は一般に小さく保たれます。 このカールの効果は顕著であり、氷の状態によって曲がりの大きさはストーンの停止までに 1 m 以上にも達します。 まったくペブルのないアイスの方が曲がりは大きいが摩擦も大きくなります。だがこうしたこと以上に興味深いことは、 カーリングのストーンが、回転しながら接触面の上を進む物体が摩擦によって曲がると普通予想される方向とは逆に曲がるということ。 カーリングのストーンでは、そのコースは回転方向と同一の方向、すなわち、上からみて反時計回りに弱く回転させたストーンは ホームに近付くにつれて進行方向に向かって左に、時計回りは右に曲がる。カーリングのストーンの底面は中心がわずかにへこみ、 氷とストーンとはリング状の接触面を持つので、同様のリング状の接触面を持つものとして、机の上で反対向きに伏せた グラスなどを同じように回転させながら滑らせてみると、グラスはカーリングのストーンとは逆向きに曲がっていきます。 すなわちグラスにおいてはカールの方向は反時計回りで右となります。 グラスの曲がる方向は通常の摩擦の考え方で理解できます。以降、上からみて反時計回りに回転する場合のみを考えます。 進行方向を変えるのは進行方向に直交する摩擦の成分です。これは主にリング状の接触面の進行方向前部と後部の摩擦力が寄与します。 グラスの重心が接触面よりも上にあるために、グラスの接触面前部における方が後部よりも押さえつける力が大きい。 よって、通常の動摩擦の関係のように接触面への力が大きいほど摩擦力も大きいとの関係が満たされるとき、接触面前部による 進行方向右向きの摩擦力の方が後部の左向きの摩擦力より大きくなり、進行方向右向きの正味の力が生まれることになります。 カーリングのストーンでも速度を持つときは同様に進行方向前部での押さえつけの力が大きいはずですが、 曲がる向きが逆になることは、少なくともある条件の元で押さえつける力が大きくなるとかえって摩擦が小さくなることを示しています。

この謎を説明するためにいくつかの説が現れてきました。この問題を1981年に初めに議論したジョンソンは、その理由を前部で 大きくなる摩擦による熱が氷の摩擦係数をかえって低くしているためだとしました。ジョンソンのアイデアは氷の融解を考えます。 ものではなかったが、カナダの物理学者で自身カーラーでもあるマーク・シェゲルスキーは、1996年、溶けた水の非常に 薄い膜がストーンの接触面に形成されるのだとしました。カールの問題に対して最も精力的に研究を公表しているシェゲルスキーは、 圧力の強い前面ではこの膜が厚くなるために、摩擦力を後部より小さくしているとします。またストーンが水の膜を引きずりやすい 性質をもつ花崗岩で作られ、摩擦の方向は氷面に相対的な速度の方向ではなく、この引きずられた水の膜に相対的になっているとします。 さらにストーンの停止間際では引きずられた膜が一周して前面がさらに厚くなり、一層曲がりやすくなる。こうした性質の一部は 実験的に確認されています。これとは別に前野紀一は、2009年にストーンのカールが蒸発による温度低下とペブルの摩耗に よるとする説を提案しています。この説では、前部で熱せされた氷は瞬間的に蒸発して気化熱を奪い、後部ではむしろ温度が 低下して摩擦係数が大きくなるのだとします。さらに前部ではペブルの一部が摩耗して氷の屑が作られるために、さらに後部の 摩擦は大きくなります。いずれにしても、ストーンがカールする量が氷面のペブルの状態やコースの使用状況、氷面の温度、 ストーンの速度、角速度などに応じて、摩擦の敏感な変化を起こす状態に調整されていることは、ストーンの動きの 状況に応じた鋭敏な変化をもたらし、ひいては競技者の氷の読みに対する経験とそれにもとづく判断が競技において重要な ものとなる物理的な要因となっています。